En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

YSGA 2月25日(土) 兵器システムの調査

SPIの戦術級には実験的なものが多い。

というか、すべてが実験ゲームではないだろうか。

そこには、ゲームデザイナーが打ち立てたセオリーがあり、仮説があって、兵器のスペックがある。

その結果どういうゲーム展開になるかはやってみてのお楽しみ。プレイヤーは、ジムダニガンの高邁な思想と研究結果にひたすら感銘を受けるべきであり、SPIゲームに、バランスとか、プレイアビリティを求めてはいけないのです。

サブタイトルに"A Weapon System Survey"と書かれている。
これはゲームではなく"兵器システムの調査"なのだ。

今回YSGAの例会で対戦した「(SPI) TANK!」は、「(AH) PanzerBlitz」の4年後、「(AH) Panzer Leader」と同じ年に発売されたゲームです。

1ユニット戦車1輌の戦術級スケールで、実験的なシステムの割にはよくできたゲームです。プロットによる同時移動もスムーズに機能します。15台ぐらいの戦車でもスピーディに処理できるのです。

対戦のために用意したGHQ社の1/285スケール・ミニチュア。

遭遇戦はスリリングなもので、同時移動ルールの結果、予期せぬ場所で予期せぬ敵と、予期せぬ形で戦闘が始まります。一度交戦が始まると離脱が困難になり、敵に後ろを見せることはできません。激しい射撃戦によって、あっという間に勝敗がつきます。

ゲーム付属のシナリオは、プレイヤーが独自のシナリオを作るための素材というべきもので、プレイヤーにはある程度の軍事知識と、面白い勝利条件が作れるだけの技量が求められます。

徹甲弾(AP)の応酬。戦車戦の勝敗は瞬時にして決まる。
M4シャーマンは縦列(Column)で進軍しているため、先頭車両しか発砲できない。
それに対し、くさび形(Echelon Left)に展開しているV号駆逐戦車は、全車両の火力を特定のターゲットに集中できる。

「PanzerBlitz」より簡単なルールのおかげで、1日に3回対戦できました。アバロンヒルの商品として完成されたゲームと比べるなら、半完成という印象がぬぐいきれないゲームですが、それなりにリアリティがあるので、複雑なゲームに飽きた時によいと思います。

狩りに向かうV号駆逐戦車。

対戦終了時の全景。青いマーカーは撃破された車両。
米軍の残数が温存限界レベルに達したため終了になった。
3輌のV号ヤクトパンターが14輌のM4シャーマンの進軍を阻止している。