En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

(Nuts) Urban Operations

2023年9月16日(土)、YSGA例会で(Nuts) Urban Operationsを4人で対戦しました。選んだシナリオはカタンガ兵から民間人を救出する"La Legion saute sur Kolwezi"。

ゲームデザイナーは、サン・シール陸軍士官学校を卒業したフランス陸軍歩兵士官で、フランス国立市街戦訓練センターの都市戦訓練の元教官です。演習をシミュレートしたゲームです。

フランス国立市街戦訓練センター

【ルール覚書】
シナリオ設定の開始時刻とNight Visionの歩兵がいるかどうか、などから夜間シナリオかどうかを判断する必要がある。"The Great Escape"は夜戦だった。

"Kolwezi"シナリオでは、ヘクス3810にカタンガ兵の増援が登場するが、移動力の関係でフランス軍があらかじめ3810を占拠することはできない。
カタンガ兵、フランス兵、ともに民間人を殺害してはいけない。

"In Contact"の定義(8.1.12) 
1. "In Contact"はアクションではない。
2. ブロック同士の"In Contact": LOSが通って3EPまで近づく必要があり、両方のブロックを表にする。
3. ブロックとNo Man's Landカウンターの"In Contact": 隣接しなければならない。No Man's Landカウンターのみを表にする。
4.5EP離れたNo Man's Land(民間人カウンター)をScoutするのはアクションである(8.2.6)。

民間人カウンター
1. "In Contact"の結果、No Man's Landカウンターが民間人である場合、敵プレイヤー("In Contact"しなかった側の陣営)は民間人カウンターを3MP移動できる。これはアクションではない。この民間人との"In Contact"は一度しか発生しないと考える。二度目にブロックが民間人カウンターに隣接しても、ただの隣接である。

2. "Scattering Population(8.2.6)": 民間人カウンターに隣接したブロックの陣営は、その民間人カウンターを6EP好きな方向に移動できる。これはアクションである。


スナイパーがlong range weaponで射撃した場合、その敵ユニットが8.2.7.4に記載された兵科でない場合、Inadequate Armamentが適用される(BGG)。

隣接した敵にOppitunity Fireを行う場合、FireではなくAssaultのルールで行う(BGG)。

特殊な移動のまとめ:
Outer wall: 
歩兵 = 5MP
歩兵 w/Radder = 2MP
歩兵 + Radder付歩兵 or Vehicle = Radder付歩兵/Vehicle に乗るのに1MP、反対側に降りるのに + 2MP。
Roof:
歩兵 w/階段= 2MP
歩兵 w/Radder = 2MP
歩兵 + Radder付歩兵 or Vehicle(APC or MBT) = Radder付歩兵/Vehicle に乗るのに1MP、roofに昇るのに + 2MP。

通常の移動:

 

YSGA例会、エクアドル・ペルー戦争

(SNAFU) Equatorial Clash、第二ターン。

2023年8月27日(日)、「(SNAFU) Equatorial Clash」を対戦しました。7月1日(土)以来二度目の対戦です。

この戦争は1941年7月5日から三週間南米で戦われた国境紛争です。史実ではアメリカの講和によって終結し、ペルー軍の圧勝に終わりました。

今回の対戦の目的は、前回まったく使わなかった「アロヨ大統領」トラックを毎ターン進めるとどうなるか試してみることでした。

結果は、前回同様最後の最後まで予想のつかないスリリングな展開となり、午後3時、僅差(4ポイント)でエクアドルの勝利になりました。 

ワンサイドゲームに終わった戦いを、ここまで面白くしているのは特筆すべきことです。

エクアドル軍は、まちがっても自分から攻撃してはいけない。

P. Bolivar付近の激戦。

(S&T) Nicaragua!
余った時間で「(S&T) Nicaragua!」のルール研究戦を行いました。
このゲームはジョセフ・ミランダのデビュー作としても有名ですが、アメリカ陸軍の将校だったミランダはcounterinsurgencyの教官をしていました。
「(S&T) Nicaragua!」は、彼の得意分野をゲーム化したようなものです。当時の先鋭的なウォーゲームにみられたように、プレイアビリティはまったく考慮されていません。ゲームというより、軍事研究と言うべき内容です。今日において、こういうゲームが発売されることは、まずないでしょう。

その後の彼のゲームにしばしばみられるが如く、シナリオには、まったくテストプレイされていないものが含まれています。「(SPI) Tito」の影響を受けていると言われています。非正規戦ないし低強度紛争を、ゲームデザイナーがどのように分析し、ルールとして体系化しているかを知るためのゲームです。

ルール分析:
ゲーム進行の基礎となるユニットは、Political Front(政治拠点)とMilitary Front(軍事拠点)です。

これらのユニットは、ニカラグア内戦における政府側や革命勢力側の非正規兵を指し、政治的な心理工作あるいは軍事的な展開を手助けします。拠点ユニットは、いずれも移動力ゼロです。

ゲームは、次のような展開になると思います。

  1. ゲームは、革命側プレイヤーがニカラグア国内に政治および軍事拠点を作ることからはじまる。革命側プレイヤーは、コスタリカホンジュラスからCadreユニット(指導幹部)とIrregularユニット(非正規戦闘員)を送り、ニカラグアに浸透させる。
  2. 指導幹部ユニットと非正規戦闘員ユニットは無限の移動力を持つ。政府側が阻止しない限り、彼らは国内のどこにでも入り込む。
  3. 政府側プレイヤーは、指導幹部/非正規戦闘員を捜索して発見("Search"して"Overt")、あるいは攻撃する("Reaction Attack")。
  4. 除去されなかった革命側の指導幹部/非正規戦闘員は「動員」をかけ、各地域に政治および軍事拠点を作る("Mobilization")。あるいは正規戦のできる兵士を地域に増やす。他国や住民からの支持が減ることを承知で「大量動員」("Mass Mobilization")を行うこともできる。
  5. 地域に作られた拠点や正規軍は、革命側の政治作戦("Political Warfare Operation")を容易にする。あるいは、政府への支持を失墜させることに役立つ。
  6. 支持は、ルールの根幹を成すもので、支持の状態と程度でゲームの勝敗が決まる。支持を得るべき対象には次の種類がある。
     a. ソビエト、ラテン諸国、アメリ
     b. 農奴、教会、労働階級、中流層、原住民、知識階級
     c. 革命派そのものへの支持
  7. それに対し、政府側プレイヤーは正規戦を挑む("Combat"の"Conventional")。
  8. 政府側プレイヤーは、政府への支持が減ることを承知の上で、大規模な掃討戦を仕掛けることができる("Unrestricted")。ゲームに負けないために政府プレイヤーは何らかの軍事行動をとらなければならないが、政府のアクションは、たいてい、市民の革命側への支持を強化たり、政府への支持を失わせたりする。

自作した携帯アプリ。Android 13以上に対応しています。


【Equatorial Clash 覚書】

初期配置; ECUの航空機の増援(攻撃力を持つCW-19とP-35)は、ECUの増援BOXの下の方にでも置いておく。
マップに登場したすべての艦船は、各ターンの終わりに「Spent」に戻す。
Companyと騎兵の移動コストは1AP。
敵ユニットが存在するエリアから出る時、追加で1APを消費しなければならない(入る時ではない)。
除去された戦闘ユニットは戻らない(航空機と艦船は再登場できる)。
補給ルールとZOCは存在しない。
「空挺作戦は1ゲーム中1回しかできない」は日本語版のみに存在するルールである。英語版の通りにやると、除去された空挺ユニットが何度でもゲーム再登場できることになるので、日本語ルールで行うのが推奨される。
Transport(艦船による戦略移動)を行った艦船ユニットは、そのターン、Transportを含むすべての種類の戦略移動ができない。あるいは、Transportに失敗した艦船はそのターン、再度Transportを試みることはできない。
艦船で「EL GUABO」に移動したユニットは、騎兵を除きDisruptになる。
ArtilleryはRefit(15.1)の対象外。
軍艦「Cor. Bologn」はダイス1、2でオフマップに置く(除去ではない)。
ECUが「P.BOLIVAR」にTransportする際、「Coronel  Bologn(PER)」が存在せず「Alm. Villar(PER)」と「Caladeron (ECU)」のみが存在する場合、1d6 = 1で「Alm. Villar(PER)」を除去する。

Disruptされずに「Puerto Bolivar」にTransportできるダイスの目
- 双方の軍艦なし: 1、2、3、4
-「ガンボートCaladeron (ECU)」のみ存在: 1、2、3、4、5
- 「Coronel Bolognesi (PER)」と「Almirante Villar (PER)」が存在: 1
- 「ガンボートCaladeron (ECU)」「Coronel Bolognesi (PER)」「Almirante Villar (PER)」が存在: 1、2
※従って、ペルーの両艦が湾に登場した場合、事実上「Puerto Boliver」へのTransportは封鎖される。
「Spent」に置かれた航空機ユニットは、Disruptの状態であってもUndisruptでも同じ扱いをする(区別はされない)。
10ターン以降、ターン開始時にダイスを振り、6でCease Fire。

「アロヨ大統領トラック」の5~8
エクアドル側が「アロヨ大統領トラック」を進めない場合、同じ条件で同じ増援を受けることができる。
例: エクアドル・プレイヤーは第7ターンで「アロヨ大統領」マーカーをトラック「7」に進めた。
従って、第8ターンのはじめにエクアドル・プレイヤーは、P-35と二枚の戦闘ユニットの増援を受けた。そのターンでエクアドル・プレイヤーは「アロヨ大統領トラック」を進めなかった。
第9ターンでは、エクアドル・プレイヤーは同一条件で増援を受けることができるので、エクアドル・プレイヤーは二枚の戦闘ユニットの増援のみを受けた。

YSGAの連続例会、(AH) 帆船の戦い

2023年7月15、16日、YSGAの連続例会で(AH) 帆船の戦いを三人で対戦しました。

ポルト・プラヤの海戦、1781年
(THE BOARDGAMER Vol.8 Issue.2, 2003)
この海戦は、アメリカ独立戦争中の出来事で、イギリス海軍とフランス海軍の間で起きた。
カーボヴェルデ諸島のサン・ティアゴ島のポルトガル領、ポルト・プラヤ港に逃げ込んだイギリス商船団にフランス艦隊が奇襲を仕掛けた。
イギリスの軍艦は少数で、イギリスの商船と護送船がフランスの攻撃対象だった。
イギリス海軍45隻、フランス海軍5隻。

ポルト・プラヤの海戦、1781年


The Battle of Dardanelles, May 22-23, 1807

(The General Vol.19 No.5 P33)
第一次露土戦争におけるダーダネルス海峡の海戦。オスマン・トルコ軍14隻、ロシア11隻。
ロシア艦隊が封鎖した海峡を、14隻のオスマン・トルコ海軍が突破しなればならない。

ダーダネルス海峡の海戦、1807年

PURSUIT FROM ALGECIRAS, 1801
(The General Vol.23 No.4 P19)
アルヘシラスの戦いの続編。フランス/スペイン 12隻、イギリス 8隻

アルヘシラスの戦い、1801年


【覚書】
Crewの損害は上の行から消す。
Rakeは後方だけでなく前面もある。
CRT8以上は8。
忘れやすいマーカー、SurrenderとCaptured.
1Rotationで消費するMPは1。
foulすれば白兵戦可。
HullおよびCrewの全損によるSurrnderは無条件で適用される。GunやRiggingの全損のSurrenderは「10ヘクス以内..」などの制限がある。
射撃距離が等距離の場合、射撃側がターゲットを選択する。
初弾のベネフィットは、左右それぞれ1回ずつ。
TransferしたCrewは、そのTransferを行ったターンはBoarding Battleに使えない。
AvからExpertにTransferしたCrewはExpertになる。
Land Hexは射線をブロックする。
日本語版ルールの「白兵戦で敵のCrewの三倍になった場合、自動的に勝利」は第一版のルールで、第二版英語版ルールでは削除されている。
CrewのTransferルールの結果、Boarding Battle用に後方の船からできるだけ多くのCrewを集めてから攻撃をすることになり、煩雑であるだけでなくリアリティに欠けるので、CrewのTransferルールは廃止するのがよい。


【最近の対戦記録】
2022年8月13日(土)"The General Vol.26.No.6"「BROKE'S CHALLENGE」
2022年8月14日(日)"THE GENERAL Vol.23 No.4"掲載の"第一次アルへシラス

YSGA 2023年7月15、16日連続例会

横浜YSGA夏の連続例会。
7月15日は「(GMT) The British Way」のパレスチナシナリオを対戦、イギリス側プレイヤーは、自作のBotルールを使いました。

Botの設定にならい、イギリスはSabotageマーカーを一切放置、Cellsを検挙することに専念しました。
その結果、第二Propagandaまでに、すべてのCellsを刑務所に送り、すべての都市に戒厳令を敷いたため、新規のCellsはおろか、Arms Cachesすら置くことも不可能な盤面になりました。パレスチナに平和と安全がよみがえったのです。
しかしながら、二枚のSabotageと一枚のTerrorがあったため、Irgunプレイヤーの勝利に終わりました。



第二Propaganda。空になったパレスチナには秩序がよみがえったが...。

16日は三人集まり「(SPI) Tank!」を再戦。ホワイトメタルのユニットと拡大マップを使った"再生ウォーゲーム"です。フォーメーション・ルールがゲームのリアリズムをさらに高めることがわかりました。

過去のミニチュアを使った対戦、「(AH) 帆船の戦い」「(AH)ギリシャ・ローマ海戦」でも言われたことですが、紙のユニットでは退屈に感じられるゲームが、ホワイトメタル・ミニチュアにするとなぜ面白くなるのでしょうか?

ChatGPTに聞いてみました。

質問: 同じルールのゲームなのに、粗末な紙のユニットだどうしてとつまらなく感じるのか?

回答: リアルなホワイトメタルのユニットを使う際の、感情や知覚に対する違いは以下の要因に起因すると考えられます:

    1.触覚的な体験:ユニットの質感と重さを感じることは、ゲームに物理的な次元を加えます。触覚的なフィードバックにより、プレイヤーはよりゲームに参加しやすくなります。物理的なミニチュアとの相互作用は、紙のユニットでは再現できない触覚的な体験を提供します。

    2.感情的な投資: 組み立てやカスタマイズに時間と労力を費やしたユニットを使うことで、より強い感情移入がなされます。この感情的な投資は、プレイヤーが担当する陣営への帰属意識や誇りと結びつき、ゲームをより魅力的で楽しいものにします。

    3.沈浸感とリアリズム:リアリズムを追求したミニチュアは、ルールや戦術の具体的な表現となります。プレイヤーは歴史的な文脈とのつながりを感じ、ゲームが強い現実味を帯びるようになります。このような高い沈浸感は、全体のゲーム体験を向上させます。

    4.社会的地位: 一部のウォーゲーミングコミュニティでは、リアルなホワイトメタルミニチュアを使うことが、より高い地位や名声と結びついている場合があります。美しくペイントされたユニットを使用することは、プレイヤー間での賞賛となり、ミニチュアを使うことの魅力をさらに高めます。

戦う気満々のパンター中隊。
四輌の一個小隊、三輌の二個小隊から編成されている。
この中隊は、ドイツ軍の戦術的な優位をさんざんに見せつけた。

最後に(FG)Age of Dogfights:WW1のテストプレイをしました。

【(SPI) Tank!覚書】
- Direct Fireは移動フェーズ前に行われる。移動をプロットした敵ユニットにDirect Fireする場合、Direct Fireのダイスの目に、その敵ユニットが移動プロットによって消費する移動力の1/2(端数切捨て)を加える(攻撃力の差から引くのではない)。

- プロット移動の結果、敵、味方ユニットが同時に同じヘクスに入る場合、味方ユニットは敵ユニットが存在するへクスのひとつ手前のへクスまで移動する。敵ユニットが占めるへクスとは、ゲームターンのはじめから敵ユニットが置かれているへクス、あるいは、移動フェーズで同時移動の結果、味方ユニットよりも先に敵ユニットが入ることのできたへクスである。[9.35]

- Initial Facing Segment: パニックのプロットの直後に行うFacing。移動予定、あるいはパニックのプロットをしたユニットのみが、移動予定先のへクスに向けて移動コスト0で向きを変えることができる[4.1]。

- Final Facing Segment: 移動を実行したユニット(MV、MV Rea、Over Run)およびFCをプロットしたユニットのみが、好きな方向に移動コスト0で向きを変えることができる。射撃したユニットは向きを変えることができない。

- AFV(フォーメーションのユニット)は自発的にフォーメーションから出ることはできない。

(GMT) The British Way, Palestineの背景

ユダヤ人過激派IZL (Irgun Zvei Leumi, Etzel)の起源は遅くとも、1929年の「嘆きの壁」事件に求めることができる。

ユダヤ教徒嘆きの壁の前に私製の家具を置いたことが発端となり、アラブ人の暴動となった。
当時、イギリスの委任統治領だったパレスチナにはアラブ人警察官が300名、イギリス兵が100名しか存在せず、10日後に暴動が終息した時には、ユダヤ人死者133名、負傷者340名、アラブ人死者116名、負傷者230名が出ていた。

ユダヤ人の死傷者の多くが武器を持たない農民と市民であったのに対し、アラブ側の死者はイギリス政府による鎮圧の結果だった。

第一次大戦後から、ユダヤ人入植者が増えるにつれアラブ人との軋轢は増えていたが、「嘆きの壁」事件は、多くのイスラエル人にとって、信頼していた隣人(アラブ人)から突如裏切られたような出来事であった。

1920年に組織されたイスラエル自警団「ハガナー(Haganah)」が、いくつものアラブ人の襲撃からユダヤ居住民を守ってきたが、「嘆きの壁」事件以降、テロ組織がいくつか誕生した。ハガナーから派生したIZLもそのひとつだった。

IZLは、数十名の幹部と千名近くの「パートタイマー」から成る地下組織であり、1931年から1947年の間存在した。彼らはテロ行為を旨とする過激派集団であり、殺害の対象はアラブ人のみならず、イギリス兵士や高官にも及んだ。

IZLは、1937年から1939年の間にアラブ人数百名を殺害、第二次大戦中は反ドイツの立場からイギリス軍による軍事訓練を受けて西部戦線で戦った。1945年、委任統治政府がユダヤ人の移民制限を行うと、イギリス政府とIZLとの全面的な戦いになった。


シナリオの期間に基づく主な事件
:
1945年12月、エルサレムのイギリス司令部爆破
1946年2月、イギリス空軍基地襲撃、軍用機を破壊
1946年6月18日、5名のイギリス人をテルアビブの将校クラブから誘拐、後に2名を絞殺
1946年6月29日、Operation Agatha(別名ブラック・サバス)でイギリス軍が2,700名のイスラエル人を拘束
1946年7月22日、ブラック・サバスの報復にキングダビテホテル(イギリス司令部)爆破、兵士市民を含め100名死亡
1946年7月30日、Operation Sharek。イギリス軍第六空挺師団17,000名がテルアビブ市を封鎖、家宅捜索で787名を逮捕したが、多くが無実だったと言われている。
1946年10月、ローマのイギリス大使館爆破
1947年1月、Operation Polly。政府関係者がパレスチナ国外に避難した。
1947年3月1日、IZLが16カ所を同時攻撃、20人の兵士が死亡した。
1947年3月2日、Operation Elephantでテルアビブに戒厳令
この頃、100,000名の兵士のうち戦闘員は1/4にすぎず、パレスチナ政府は完全に劣勢に陥っていた。
1947年3月31日、ハイファの精油精製所を爆破
1947年4月22日、カイロ・ハイファ間の鉄道を攻撃、兵士5名が死亡
1947年5月4日、Acre要塞を攻撃、255名の囚人が逃亡、多くはアラブ人だった。
1947年7月18日、エクソダス号事件でイギリスは国際世論から非難される。
1947年7月28日、Operation Tiger戒厳令とIZL幹部の捜索
1947年8月12日、オーストリアでイギリスの軍用列車を爆破
1947年9月20日、イギリス政府、一年後の撤退を決定
1947年9月26日、IZLの銀行強盗でイギリス兵5名死亡
1947年9月29日、ハイファ警察署を爆破、10名の警察官が死亡


絶えない戦禍
イギリス政府がパレスチナ撤退を表明すると、ユダヤ人、アラブ人双方による襲撃事件が活発化、パレスチナはイギリス、ユダヤ人、アラブ人三者の内戦状態になった。

そして1948年5月14日イスラエル独立宣言を行うと、翌日、アラブ諸国パレスチナに軍事侵攻し、第一次中東戦争が始まった。



(Bonsai)Equatorial Clashと(GMT)The British Way

2023年7月1日(土)のYSGA例会で、「(Bonsai) Equatorial Clash」と「(GMT) The British Way」を対戦しました。

新聞のような「Equatorial Crash」のマップ。 ゲーム終了時。

(Bonsai) Equatorial Clash
紛争の宝庫、ラテンアメリカの戦争。

三国同盟戦争、チャコ戦争、太平洋戦争については聞いたことはあっても、1941年7月5日から26日間戦われたエクアドル・ペルー戦争(1941年戦争)を知る人は少ないと思います。

史実
政治的な機能不全に陥っていたエクアドルに対して、着々と戦争準備を進めてきたペルー政府は、国境に砲兵と航空支援を備えた装甲部隊を集結させ、1941年7月5日に突如侵攻を開始しました。目的は100年間続いている国境問題の武力的解決。

対するエクアドル軍は、軍事力の半分が大統領と軍部の対立によって使えない上に、過小な軍事力を自国全土に分散している状態でした。

史実ではペルー軍の圧勝に終わった戦争ですが、「Equatorial Clash」では、エクアドル軍が混迷から抜けるプロセスをルール化することで、スリリングな味わいにしています。

対戦は9時半からはじまり、午後2時までかかりました。
どちらが勝ってもおかしくない駆け引きが最後の一手まで続き、数ポイント差でペルー軍が勝利しました。

マイナーな戦争をここまで面白くしているのは驚くべきことです。

【覚書】
ペルー軍の空挺部隊はオマケではありません。空挺をいつ、どこに落下させるかが勝負のカギとなります。
敵ユニットが存在するエリアを抜けて、その後方に隣接する敵支配エリアに入ることはできないが(infiltrationの禁止)、その敵ユニットがすべてDisruptである場合、そこを抜けて後方の敵支配エリアに入ることができる。
辺境の戦争で作戦終了になるのは、どちらかの終端にマーカーが達し、さらに前進する結果が出た時です(BGG Errata)。

【BGG】
1. AAは中隊規模として扱う。
2. エリアを支配するには、そのエリアを通過するだけでよい(そこで移動を終了する必要はない。)
3. Distruptedユニット単独でエリアを支配できる。実際には、Disruptedユニットは敵コントロールのエリアに入れないので、たとえば、敵のUndisrupedユニットと味方のDisruptedユニットが同じエリアに存在する場合、もし敵ユニットがそのエリアを出たなら、そこは味方の支配エリアになる。
4. ゲーム中、空挺ユニットは何回でも空挺作戦を行うことができる。

 

青がパレスチナ警察、ベージュがイギリス軍。両者は協調できない。

(GMT) The British Way
ミニゲームが4つ入ったCOINゲーム。キャンペーンでは、4つのCOINゲームを順番に対戦し、総得点を競います。

初対戦のこの日は、パレスチナ・シナリオを選びました。

COINゲームは、盤上から敵ユニットを除去するよりも、敵のリソース源を傷つけ、決算期に、敵にリソースが入らないようにして勝つ、というのが王道だと思いますが、ルールが大幅に簡略されているパレスチナ・シナリオにはリソースに該当するものがなく、わずかにIntel ChitとArms Cacheがリソースに近い働きをしています。エリアごとの"Opposition"と"Support"、"Control"の概念もありません。

パレスチナ・シナリオでは、ユダヤ武装組織「エツェル」はひたすら治安を乱し、社会を混乱させることを目標とします。
それに対するイギリス政府は(ゲームはイギリス委任統治時代)、理由があってもなくても(ActiveでもUndergroundでも)、「エツェル」を逮捕、投獄します。武装組織と比較して鈍重な政府が"Intel Chit"によって表現されています。

対戦では、前半、「エツェル」が次々と乱暴狼藉を働き、破壊工作がパレスチナ全土に広がりましたが、中盤を過ぎると「エツェル」が続々と投獄され、マップ上の勢力がまばらになりました。治安とは、そうやって回復するものなのでしょう。

2023年6月4日、(AH)ギリシャ・ローマ海戦

シナリオ: エクノモス岬の戦い (紀元前256年、第一次ポエニ戦争)

初期配置。手前がローマ軍、奥がカルタゴ

対戦後はしばらく「事前プロット脳」になるゲーム。

2023年6月4日(日)、YSGA例会で5人集まり、「エクノモス岬の戦い」を対戦しました。

カルタゴ軍は、速力と乗員の練度において、ローマ軍を上回る。
史実ではローマ軍が勝っている。

歴史家のリサーチによれば、海戦の最後はこのように入り乱れて動けなくなる、とされている。

戦闘結果を計算する携帯アプリ。Google Playからダウンロードできます。

(GMT) The British Way

GMTの新作COIN。

4つのミニゲームが入っていて、共通のルールかと思ったら、それぞれ別なルールだった。全部対戦するのに半年以上かかるだろう。COINゲームを4つ買ったのと変わらない。

 

【次回対戦のためのルール覚書】
移動:
- 移動力をすべて使い切る必要はない。
- 移動の最初に直進しなくてよい。
- Crusing SpeedからFull Speed、Full SpeedからCrusing Speedへの切り替えコストは0。
- 完全に停止(Pause)していた次のターンにFull Speedで動いてよい。
- bow Starboard、bow Port、Back Waterをした次のターンはFull Speedを選ぶことができない。
- Ram攻撃の次のターンでは、双方ともCrusing Speed。Ramした側はさらに最初にBack Waterを行わなければならない。
- Full SpeedであってもOar Rakeをした場合はbow Port、bow Starboardをしてよい。
- 帆走している船はAhead、Starboard、Portしかできない。

戦闘:
- Boarding Battleの勝利者は、より多くの損害を相手に与えた側であり、より多くCrewが残った側ではない。
- Boarding Battleの損害が同点の場合、双方とも敗者になる。
- 複数の敵船からBoarding Battleを仕掛けられた場合、自船のBoarding Battleの戦力を分割し、それぞれの敵船に割り振らなければならない。
- Collusion(Ramによらない衝突)した船は双方とも自動的にCrippled、Grappling Advantageがつく。いずれか一隻にはCrippled Avoidanceの判定結果が適用される。
- Tower一棟ごとに、Missile Marineは4、5、6の目でヒット。Artillery EngineはTowerの恩恵を受けない。
- CorvusをDegrapplingするには、通常のDegrapplingの手順を踏まなければならない。

Drift:
- 通常の天候でDriftするのはClippledした船、あるいは移動力が0~1の船("not under oars or sail")である(1移動しかしなかった船ではない)。移動力が2以上であれば、全く移動しなくともDriftしない。

天候:
- 風向きはゲームの終わりまで変化しない。
- 風力と潮の満ち引きは毎ターン変わるが、Driftのみに影響する。

Capture:
- Captureされた船のDeck CrewとMarinesは皆殺しにされ、Oarsmenは"Slave"となる(P16)。
- Captureしていない船を任意で沈めたり、火をつけることはできない。

 

対戦記録:
2022年10月9日(日) General Vol.19 No.4 "SYBOTA I"
2022年12月11日(日) General Vol.19 No.4 "SYBOTA II"
2023年3月19日(日) ACTIUM
2023年5月13日(土) SALAMIS1、DREPANUM
2023年6月4日(日) ECONOMUS