En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

「(AH) 帆船の戦い」

イギリス、NAV WAR社の1/3000ダイキャスト製ユニットの塗装。 ホビーメーカーの水性塗料「シタデルカラー」は、大量のミニアチュアを、短時間で均一に仕上げるのに適しています。

2026年8月15、16日、YSGAの連続例会で「(AH) 帆船の戦い」を6人で対戦しました。

初日のシナリオは「The General Vol.23 No.4」の「サン・ビセンテ岬の海戦」。
トラファルガーの海戦に先立つこと8年、1797年2月14日、イギリス艦隊がポルトガルのサン・ヴィセンテ岬においてホセ・デ・コルドバ提督の率いるスペイン艦隊を破った戦いです。

翌日は同じメンバーで第一次ロシア・スウェーデン戦争の「ホグランドの戦い(1788)」を対戦しました。

両陣営とも20隻近い戦列艦を擁する、大規模な海戦です。

このゲームでまず面白かったのは、18世紀にロシアとスウェーデンの間でこのような海戦が行われていたことを知ったことです。

6人で対戦したため、各プレイヤーが担当する艦艇は6隻程度となった。20隻近い艦隊を一人で動かすのに比べれば負担は軽く、この規模のシナリオをプレイする方法として、多人数プレイには明らかな利点があります。

一方で、別の問題も浮かび上がりました。

プレイヤー間で作戦を統一することができませんでした。各部隊が互いに離れた場所で戦闘を行い、三つの別々のゲームを同時にプレイしているような展開になりました。

作戦意図の共有と、戦術的連携。

今回のホグランドの戦いは、多人数でウォーゲームをプレイするとはどういうことかを考えさせられる一戦でもありました。

マルチプレイヤーで対戦するときには、戦力を人数で分担するだけでなく、誰が全体の方針を決め、各プレイヤーがどこまで独自に判断するのかという統御の範囲まで設定する必要があるのかもしれません。そしてこれはルール化が難しい部分です。

マップが足りなくなったので、コピーしてマップを延長した。

【対戦記録】
2017年7月2日 ノンシナリオ
2017年5月4、5日 トラファルガー 4人戦
2017年7月17日 ネガパタムの海戦シナリオ
2017年7月28日  カーボベルデの遭遇戦 3人戦 
2017年8月27日 Ranger vs. Drake他
2017年8月2日「ナイルの海戦」3人戦
2017年10月14日 Henry Every
2018年6月15日 Arbuthnot and Des Touches 4人戦 
2022年8月13日(土) "The General Vol.26.No.6"「BROKE'S CHALLENGE」
2022年8月14日(日) "THE GENERAL Vol.23 No.4"掲載の"第一次アルへシラス
2023年7月15、16日 ポルト・プラヤの海戦
2026年8月15日 サン・ビセンテ岬の海戦 6人戦
2026年8月16日 ホグランドの戦い (1788) 6人戦

(SPI) Strategy I, Napoléon1800

『(SPI) Strategy I』を5人で対戦しました。

選んだシナリオは「1800年 - ナポレオン戦争(シナリオ9)」。

1793年、ルイ16世が処刑された年に結成された第一次対仏大同盟(イギリス、スペイン、オーストリア、プロイセン、ロシア)の目的は、フランス革命の拡大を阻止することにありました。

その後、同盟国同士の利害がしばしば対立しながら、対仏同盟は解消と再結成を繰り返し、1815年の第四次大同盟へと至ります。

ゲーム
プレイヤーは、イギリス、フランス、プロイセン、スペイン、スウェーデン、ロシアのいずれかを担当します。

同盟関係を規定するルールが存在しないため、各国は対等な立場で行動し、事実上すべての国が「ミニ・フランス」となって、自国の利益のための領土拡張を試みる結果になりました。対仏大同盟が持っていた政治的性格は表現されません。

さらに、各プレイヤーが真っ先に都市を要塞化したため、戦闘は野戦や機動戦にはならず、攻城戦オンリーになりました。

今回の対戦のために作成したカラーマップ

感想
このような対戦結果になった理由は、各プレイヤーが経験豊富なウォーゲーム上級者であり、初心者が犯すミスや未熟なプレイをせずに、勝利に向かって最短かつ最適な動きをしたからです。これは、何ら責められるものではありません。

『(SPI) Strategy I』のルールの目的は、各時代における戦術の変遷を実践的に分析することにあったと思います。しかし、このシナリオでは、歴史上の各国の異なる政治的な背景が表現されていません。そのため、史実にみられた戦略目標が生まれず、単調な領土拡張ゲームになっています。

SPIのゲームは、

  • 軍事面の分析は鋭い
  • 外交や政治は大胆に省略する

傾向があり、『Strategy I』も当時のデザイン思想をよく表しているように思います。


NCAさんのコメント:
エラッタよりシナリオ9の要塞の地形効果は、防御力3倍。
シナリオ9では、要塞固有の防御力は、ゼロ。
さらに3章地形効果より、効果が重なっても3倍を超えない。
従って、要塞ヘクス3戦力部隊は、防御力9でした。
ドイツとロシアは、初期配置で5戦力砲兵を1個づつ有する。
同盟軍の攻撃力は、3戦力歩兵3個+5戦力砲兵2個=19戦力
2対1の比率立ちます。
ダイスで8,9,10を振り続ければ、フランス要塞線を攻略できます?
私は、初見での作戦立案まず無理だと思います


【対戦記録】
2025年12月14日、シナリオ1「アレキサンダーの遠征」
2026年1月25日(日)、シナリオ5「封建制度の拡大」
2026年6月21日(日)、シナリオ9「ナポレオン」

(SPI) Patrol!

ゲームシステム
1974年に発売された「(SPI) Patrol!"」は、一般的な分隊級・戦術ウォーゲームとはかなり異なる作品です。

多くのウォーゲームでは、プレイヤーは相手の行動を調べてから自軍を動かし、最適解を積み重ねて行きます。しかし「Patrol!」では、「同時プロット」と「事前プロット」によって、その発想を根底から否定しています。

プレイヤーは、敵の行動を知る前に、自軍兵士一人一人の行動を秘密裏にプロットします。そして、両軍同時にプロットを実行します。

これによって、通常のウォーゲームに存在する「先攻・後攻」の概念が消滅します。相手の動きを見てから有利な場所へ移動する、といったゲーム的な“後出し”は不可能です。しかも、一度書いた命令は修正できません。プレイヤーは最善手だと思って命令を書く。しかし、その“最善手”は、読み間違いや偶然から、一瞬で死に筋へ変わる可能性もあるのです。

スピーディな進行
驚くべきことに、1ターン最短5秒の精密シュミレーションでありながら、進行が異常に速いのです。2026年5月5日に対戦したシナリオ「27.44 1943年ドネツ河」は、わずか4ターン・約3時間で勝敗が決しました。

これは、「Patrol!」が兵器を単純化しているからです。ルールの7割は“兵士の行動”に関するものです。どの時代のシナリオでも、またどの国の陣営でも、兵器の性能は同じです。

[27.44] ドネツ河の地獄絵図
ドイツ軍の3枚のRifle Grenade(写真外)が20ヘクスの距離から密集するソビエト軍を攻撃した。

時間差による身体動作
命令としてルール化されている兵士の行動は21種類あります。このルールによって、ユニットは次のような精密な規制を受けます。
例えば、

  • 伏せ状態では1ヘクスしか移動できない
  • 立ち上がるだけで移動力の半分を消費する
  • 射撃したターンは移動できない (厳密にはQuick Fireがある)
  • 兵士はライフルか手榴弾のいずれかしか使えない
  • 小火器の結果は直ちに適用される
  • 手榴弾はユニットの移動後に爆発する
  • 兵士が受けた損害は永久に回復しない

このルールが戦場にもたらすものは大きいのです。

  • 密集したまま伏せている分隊は、一発の手榴弾で壊滅する危険がある。
  • しかし散開しようにも、伏せ状態ではほとんど動けない。
  • 立ち上がれば被弾率が上がる。
  • 伏せていても手榴弾は当たる。
  • 「投げた側」も即座に退避しなければ、爆発に巻き込まれる。

つまり、「Patrol!」では「どこへ行くか、どの兵器で撃つか」ではなく、「いつ立ち上がるか」「いつ伏せるか」「いつ射撃するか」「いつ投げるか」「いつ走るか」「いつ装填するか」という“時間差による身体動作”が戦術になるのです。

兵士が経験する数秒間
「Patrol!」では、ユニットは、恐怖と混乱の中を動く人間として表現されています。次のように下される判断に「Patrol!」の本質があります。

  • 敵の動きを読めなければ死ぬ。
  • タイミングがずれれば死ぬ。
  • 散開が遅れれば手榴弾で吹き飛ぶ。
  • 伏せたままでは前進できない。
  • 立ち上がれば撃たれる。
  • そもそも、敵がどこを撃ってくるかわからない。

このゲームのユニークな点は、"兵士の行動"を選択する過程が、“プロットの恐怖”へと収束していく設計にあります。

ゲームの迫真性
「(SPI) Patrol!」は「(AH) スコードリーダー」より7年前に発売されました。ルールは1973年に発売された「(SPI) Sniper!」を発展させたものです。このゲームは1ユニット1兵士で市街戦を扱いました。遮蔽物を利用していかに敵を攻撃するかを競うのです。

一方、「Patrol!」は、戦術を考えるゲームというより、兵士の数秒間をリアルに経験するゲームです。プレイヤーは息をつく暇もありません。

プレイヤーは、動きのわからない敵に対して、憶測と勘、運頼みでプロットを書かなければなりません。それが部隊への死刑宣告となる場合もあります。

「Patrol!」の魅力は、

人間が、数秒先すら読めない戦場に放り込まれる

という感覚を、同時プロットによって体験できることにあります。

戦闘結果を判定するWebアプリ

【対戦記録】
2026年5月4日(月) 練習戦
2026年5月5日(火) シナリオ「27.44 ドネツ河」

【対戦メモ】
ゲームスケール: 1ユニット=1兵士、1ヘクス=5m、1ターン=5秒~5分。
プロットは、ゲームシークエンスと矛盾するものであってはならない。(MVを行った後でKFを行うプロットはゲームシークエンスの順番と異なるので不可)
[9.8] Pillbox内の兵士は"Prone"ができない。計算上、すべて"Erect"とみなされる。(そもそもPillbox内ではProneとErectの区別がない。)
[9.8] "Slope Hexside"がTerrain Defense Multiplesの恩恵を受けられるのは防御側が"Slope Hex"にいて"Slope Hexside"ごしに撃たれた時であって、"Clear Hex"にいて"Slope Hexside"ごしに撃たれた時ではない。いずれの場合でも"Slope Hexside"はそのHexsideから2つ以上離れたヘクスに対して射線を妨害する(9.3の図参照)。
姿勢変更できるのは"Initial Posture Segment"と"Final Posture Segment"のみである。"Movement Phaseでは姿勢変更ができない。
[20.3] Panicしているユニットの姿勢は"Prone"とみなされる。
[11.42] 移動による防御修正("Defense Movement Multiple")は、手榴弾攻撃に対しては適用されない。
[11.42] 同一ヘクス内に複数の兵がいる場合、各兵は、分割されない手榴弾攻撃力によって個別に攻撃される。
"Erect"の兵士がGrenadeで"Stun"になっても自発的に"Prone"にはならない。"Erect"のまま。
"Rifle Grende"は着地した瞬間に爆発する(DF Segment)。"Grenade Detonation Segment"ではない。
[13.42] 発射を終えた"Rifle Granade man"は"Unarmed"になる。 
[14.41] 発射を終えた"Locket Launcher man"は"Unarmed"になる。 "Unarmed"になった"Locket Launcher man"は、"RL (Reload)"によってロケットを再装填する代わりに、"RA (Rearm)"によって武装をライフルに切り替えてもよい。その場合、Locket Launcerを捨てたものとみなされ、二度とロケットで武装することはできない。
Opportunity Fire: "Wounded"の結果はそのターンから反映される。すなわち、Opportunity Fireによって防御側が"Wounded"になった場合、その防御側ユニットに残存する移動力が残っている場合は、その数の1/2が移動に使用できる。
[12.16] Hand-to-Hand Attack: 攻撃側がPanicになった場合、姿勢は"Prone"に変更される。防御側がPanicになった場合、姿勢は変更されない。
[12.16] Hand-to-HandはMAY Attackだが、防御側はAttackerによる攻撃を拒否できない。
装填されたRocket Launcerは、装填されたままHand-to-Hand Combatを行い、生き残った場合、戦闘後もロケットは装填された状態で次のターンを迎える。
[23.24] [23.3] 
弾薬切れの際にReloadが必要な戦車搭載銃: "Hull MG"、"Swivel MG"
"Tank Main Gun"と"Coax MG"はReloadなしで毎ターン撃てるが、"Tank Main Gun"と"Coax MG"は同時に射撃できない。
[23.3] "Hull MG"とCoax MG"と"Swivel MG"は同時に撃てる。あるいは"Hull MG"と"Main GunとSwivel MG"は同時に撃てる(十分なクルーがいるなら)。
[ハウスルール] 煙幕は砲兵以外使用禁止。


ドイツ軍の代表的な Rifle Grenade(小銃擲弾)は、Kar98kに装着する Schiessbecher(シャイスベッヒャー) を用いる系列である。カウンターのRifle Grenadeの絵は米軍M1 Garand 用と思われる。ドイツ軍のRifle Grenadeは弾頭が多彩(榴弾、対戦車、閃光、煙幕、宣伝ビラ散布)で照準が難しい。M1 Garand は半自動小銃なので装填が早い。Kar98kはボルトアクションで時間がかかる。
本来なら各国の兵器は、戦術思想や威力の違いから「性能値」で分類しがちなところ、「Patrol!」ではどの時代のどのモデルでも"Rifle Grenade"一択にして簡素化している点が独特である。

 




(Mighty Boards) Nights of Fire: Battle for Budapest

2026年3月8日(日)のYSGA例会で、「Nights of Fire: Battle for Budapest(2019)」を対戦しました。

ブライアン・トレインがデザイナーの「Nights of Fire」は、ハンガリー動乱を題材にしたユーロゲームです。
カードゲーム「Days of Ire (2016)」の続編として企画され、マップを使用した市街戦ゲームとして、クラウドファンディングで発売されました。

特徴的なのは「勝利を目指すゲームではない」こと。4日間、敗北を引き延ばすことが市民側プレイヤーの目標なのです。

GT 2
緑色が市民ユニット

バリケードを作る、火炎瓶を投げる、残骸に隠れる、重要人物を亡命させる...派手な反撃ではなく、瓦礫の中で時間を稼ぐ抵抗戦がメインです。

一方のソ連軍は、圧倒的な戦力のもとに「秩序の回復」を進めますが、強引すぎる鎮圧は部隊の戦意を損ないます。軍事と兵士の心理の両面を考える必要があるのです (事実、ブタペストに入ったソ連戦車兵は、怒り狂った市民が石を投げてくることにノイローゼになったと言われている)。

歴史
この後に誕生したハンガリー新政権は1956年を「反革命」と呼び、映画や文学で言及することさえも禁じて、記憶そのものを封じ込めようとしました。
革命は終わった。しかし人々の記憶は消えなかった...「Nights of Fire」は、軍事的敗北が避けられない状況での、尊厳を守る戦いを描くゲームです。
プレイ時間は約2時間。通常の二人対戦の他に、三人戦、ソロプレイ用「コーネフ」システム、市民抵抗を詳しく描く上級ルールがあります。

ゲームは破綻なくまとまっています。今回、3回対戦して、いずれもソ連軍の勝利でした。
ユーロでありながら市街戦を扱った「Nights of Fire」は、精密なシミュレーションから息抜きしたい時、対戦時間が余った時によいと思います。

GT 9。
市民プレイヤーによる降伏による終了。

【備忘録】
ルールでは、各ターンのはじめに、ソ連プレイヤーは全てのカード(12枚)の中から任意の6枚をTacticsカードとして選ぶことができます。選ばれなかった6枚がCombatカードになります。
しかし、これだと6枚のTacticsカードを選ぶ時に、Combatカード(選ばれなかった6枚)が最強の"Probe Value"と"Assault Value"になるように、結果的に「仕込む」ことができるのです。
ハウスルールで、6枚をTacticsカードは12枚の全カードの中から無作為に選ばれなければならない、とするとよいと思います。

10枚のCivilianユニットを配置する時、ランダムに配置するのか、市民プレイヤーの意図で配置するのか質問したところ、ブライアントレインの回答は、
「どちらの方法でも構いませんが、少しハンデをつけたいならランダムにするとよいでしょう。」
というものだった。

文中の“the box”とはゲームの箱のこと。すなわち、"Killed/Arrested"に送られたInsurgents(ブロック)は、各ターン終了ごとにゲーム箱に捨てられる (ゲームから除外される。)

【(AH) Richthofen's War】

不明だったシナリオの設定は"Introduction to Senario"に記載があります。

PHOTO-RECON
(SCENARIO NO. 3)
Photographing of target hexes can take place only at altitudes equal to or greater than 2600 meters.

TRENCH-STARFING
(SCENARIO NO. 4)
Trench-starfing missions can only be executed at an altitude of 350 meters or less.

TACTICAL BOMBING
(SCENARIO NO. 5)
Maximum altitude for executing bombing missions is 2500 meters.

ウォーゲームとして見た"Twelve-Days War"

12日間戦争
イスラエルがイランを空爆することから始まったこの戦争は、アメリカによるイランの核施設爆撃、イランによるカタールの米空軍基地への空爆を経て、開戦から12日後に突如停戦になった。(2025年6月24日)

この戦争は、次の4点が特徴的であり、従来型の戦争と異なります。

  1. 地上戦がない
    1990年の湾岸戦争と違い、戦車/歩兵の出番がない。完全にAir/Missile Warだった。
  2. 遠距離戦争
    国家同士の直接戦争であるが、占領を目的としない。イラン・イラク、アフガンと異なり、総力戦をしない。「補給路を断つ」は昔話。
  3. 制限された目標
    攻撃は、決められた軍事目標を「点」で行う。イランによるカタール空爆は事前通告された。
  4. 宣戦布告がない
    戦争は継続的である。戦時と平和の区別がない。合衆国議会の承認なしに空爆した。

この戦争は未来の戦争モデル、「航空・ミサイル限定戦争」の典型例です。

そして、
"12日戦争"は、戦争の終わりではなく序章だった。

現在の戦争は第二ラウンドです。

 

(AH) Tac Air

2026年2月22日(日)にYSGAで対戦した『TAC AIR』は、戦術航空兵力と地上部隊の連携を扱うゲームです。

空陸統合戦という煩雑になりがちなテーマを整理されたルールで扱っています。

CRTは戦力差。空戦、対空戦闘、近接支援が一連の移動の中で処理されるため、同時進行的な緊張感を維持しながら、テンポよく進みます。

統合作戦の構造が理解できる良質な戦術シミュレーションです。

実際、この日の対戦では一日でシナリオを二度プレイすることができました。これはシステムが軽快である証左であり、同時にリプレイ性の高さも示しています。

3月22日(日)に『TAC AIR』四人戦を予定しています。

WebアプリでCRTを自動化。

【ルール覚書】

Woods/Urganの射線
①はWoodsに隣接していないので、矢印のように射線が通る。
②はWoodsに隣接しているので、Woodsが②の射線をブロックする。
③はWoodsヘクスにいるAir Defense。このWoodsは射線を妨害しない。(しかし隣接するWoodsは射線をブロックする)

Air Rounds
1ターン10ラウンドから成る。
任務を割り当てられた航空機は、1~10ラウンドのいずれかでマップに登場しなければならない。
各ラウンド毎に、先行プレイヤーが全機を動かし、次いで後攻プレイヤーが全機を移動する。(先行プレイヤーが自軍の航空機を10ラウンド動かした後に後攻プレイヤーが10ラウンド動かすのではない)
航空機の移動力は各ラウンドごとに10移動力(A-10は6移動力)を使い切らなければならない。(6.5.3.5)
例: 移動力が10の場合、10X10ラウンドで最大100ヘクスを1ターンの中で移動できる。
射撃は1~10ラウンドのいずれかで一回だけ。毎ラウンド射撃するのではない。
射撃は移動の最後でも、移動中でもできる。移動中の場合、射撃後に残存する移動力を使って移動を継続できる。
射撃した航空機は結果の如何にかかわらずAbortとなり、最短でマップから出なければならない。
マップエッジのヘクスに到達した航空機は、マップから出るのにさらに1移動力を消費する。
マップから出た航空機はRecovery Boxに行く。(4.7.2)
Slow Airは同一ヘクスの中で機首を何度でも回転することができる。
Air Defenseは1ラウンド中(あるいは1Maneuverフェーズ中)に、移動している航空機に対し、何度でも射撃できる(標的が同じヘクスに止まっていない限り)。

地上戦
敵ZOC(非手番プレイヤーの)に入っている場合、手番プレイヤーはMUST ATTACK。
敵ZOCには入っていないが敵ユニットに隣接している場合、手番プレイヤーはMAY ATTACK。
いずれの場合でも、手番プレイヤーにZOCがないとATTACKできない。

スタック
航空ユニットは敵味方を問わず、地上/ヘリの上に移動し止まることができる。
敵味方の航空ユニット同士の場合、通過できるが止まることはできない。
味方同士の航空ユニットがスタックした場合、残存する、より少ない移動力をスタックは引き継ぐ。

(SPI) Strategy I

Scenario 5: FEUDAL EXPANSION (1100 AD)

軍は勝ったが国家を破壊した
2026年1月25日(日)、YSGA例会で「(SPI)Strategy I」を対戦しました。去年の12月以来、二度目の対戦です。

今回のシナリオは「1100年 - 封建体制の拡大」。
この時代の国家は、まだ近代的な国家ではありません。軍の忠誠は国家に対してではなく個人の関係によるもので、人々の自己認識は、"どの土地を、誰が、誰の名において支配しているか"にあり、国家意識は皆無です。宗教は王制を正当化する道具でしかありませんでした。

この時代の軍隊の特色は、まとまりのなさです。
(シナリオ1のマケドニア軍と対照的です。)

封建軍(Fryd)は軍の骨格です。忠誠心が高く、招集にはすぐに応じますが、冬になると国に帰ってしまいます。常備軍(Build)なら占領を維持できますが、Fryd軍の5倍の費用がかかります。

戦争に勝つよりことよりも、敵より長く戦争を続けることの方が大事であることが、ルールを読んでいるとはっきりしてきます。

勝っても財政破綻、負けても壊滅、軍は勝ったが国家を破壊した、という封建制度の矛盾がゲームで体験できます。

プレイヤーは戦争の目的を、どこに置くべきでしょうか?

戦術の変遷を俯瞰する
「(SPI)Strategy I」のテーマは"文明"です。複数のシナリオをプレイすることで面白さは倍化します。文明の進歩による戦術の変遷が俯瞰できるからです。

シナリオは、ギリシャ・ローマの戦争、暗黒時代、封建時代、三十年戦争、ナポレオン戦争、南北戦争、第一次大戦、第二次大戦、"1984年の"核戦争、があります。


【備忘録】

対戦前に次の点を明確化しておく必要があります。

【敵国/中立国の領有】
敵国や中立国を占領することは、比較的早くから発生する。重要なイベントであるにもかかわらず、ルールによる規定が少ない。
ある国が、敵国/中立国のProvince内のすべてのCity/Portをコントロールした場合、そのProvinceは、その国のHome Provinceの一部になるのか、他国でありつづけるのか、事前の協議が必要である。


[ChatGPTによるerrata (重要)]
既存のルールと整合性があり、もっともシンプルに考えられたerrata。


1.領有された国の軍隊はすべてゲームから除外される
理由:
中世ヨーロッパでは、国家はまだ「法人」ではない。
忠誠は「国家」ではなく領主・土地・慣習に結びつく。
国家滅亡と同時に、軍は解散、兵士は帰郷、一部は逃亡・傭兵化
征服者がそのまま使える「正規軍」ではない。
降伏した敵を自軍として使うのは、近代国家(18–19世紀)もしくはナポレオン戦争以降の発想。

2.領有されたProvincesは、領有した国のHome Provinceにならない
理由:
中世では、法・慣習・税制、言語が違う。
征服地は本国になりえない。
反乱が常態。
征服した瞬間に Home Province 化するのは、あまりにも近代的です。

3.二国のInfantry Levy は一体化しない
理由:
Infantry Levy は地域密着型。
地域共同体の非常動員、土地に紐づいた存在。
国家軍ではない。
占領国のLevyと占領された国のLevyが一体化することはない。

【既存ルールとの整合性】
1. ただし、[16a]により、"Minor/Neutralを占領する場合、そこがHome Provincesか否かに関わらず、すべてのCity/Portを1Game-Yearの終わりにコントロールしていれば領有できる"と書かれている。
2. 敵国のHome Provincesを侵略する場合、すべてのCity/Portを1Game-Year以内にコントロールしなければならない。それができない場合、侵略側のユニットは、次のGame-YearのはじめにProvinceの境界まで下がらなければならない。自国のHome Provinceに侵攻する場合はその限りではない [16.6]。
3. 侵略するProvincesが敵国のHome Provincesでない場合、上記の「Provinceの境界まで下がる」は必要はない[16.5]。

【"自軍がコントロールするヘクス"の定義】
Game-Yearの終わりで双方のユニットが保管プールにwithdrawする前の時点で、
A. 自軍のユニットによって占拠されたヘクス
B. 上記に加え、そのGame-Yearに自軍ユニットがpassing throughしたヘクス

【"自軍がコントロールするProvinces"の定義】
領有されたProvincesは、領有した国のHome Provinceにならない
のだから、自軍がコントロールできるProvinceはゲーム開始時のHome Provinceのみである。
Home Provinceのメリットは、そのCity/Portから新規のユニットを登場させること。

【税収を得るタイミング】
税収は、Game-Yearの終わりで双方のユニットが保管プールにwithdrawする前の時点でクレジット数を判定、次のターンのFirst Interphaseで、そのクレジット数をプレイヤーは得る。

【税収を得るヘクス
税収は、単純にそのプレイヤーがいくつのCity/Portを支配しているかでカウントする。そこがHome Provincesであるか、敵国、中立国であるか、Provinceの一部のCityだけか、全てのCityを支配しているかを問わない。
ひとつのProvinceのうち、あるCityからプレイヤーAが税収を得、他のCityからプレイヤーBが税収を得ることができる [16.4]。


ルールサマリー(PDF)

シナリオ5で使うルールの日本語まとめです。


【対戦記録】
2025年12月14日、シナリオ1「アレキサンダーの遠征」
2026年1月25日(日)、シナリオ5「封建制度の拡大」