En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

Liberty or Deathルール研究第4回目

[2016年5月15日 YSGAで対戦]
昨日の例会では1776- 1779のミドルシナリオを行ないました。
他のマルチゲーム同様、このゲームも、参加者の性格や習熟度で内容が変わります。昨日も過去の研究会とは異なる展開となりました。

今回、イギリス、アメリカ軍プレイヤーは初対戦だったものの、COINシリーズを習熟していて理想的な展開に。フランス軍の参戦が少し遅れて、アメリカが苦戦を強いられましたが、ゲーム終盤で追加の要塞を展開、地道に村落を増やしていたインディアンを上回りました。勝利条件は満たさなかったものの、アメリカ・フランス優勢でゲームは終了しました。10:00AM~5:00PMの間に30枚のカードを使い切り、シナリオを完了することができたのです。

Commandの権限が大きく、戦闘で勝負がつきにくいゲームです。特に、イギリスのMuster、Garrison、March、アメリカのRallyは一瞬のうちに盤面を塗り替えるので、何度やっても唖然とします。果たしてたった一ヶ月間の召集や移動によって(戦闘ではなく)、米英の優勢が逆転したことがあったのでしょうか?

ゲームデザイナーは、アメリカ独立戦争をinsurgency(組織的反乱)、ジョージ・ワシントンをテロリストの親玉と位置づけたかったようですが(デザイナーズノート)、収賄、麻薬カルテル、腐敗した大統領が登場しないこのゲームは、むしろ正規戦であり、常識的でさえあります。


COINシリーズ第6弾「Falling Sky」を調べたところ、次の四者の戦いでした。
- アルウェルニ族(Arverni)
- ベルガエ人 (Belgic)
- ハエドゥイ族(Aedui)
- ローマ軍団 (Legion)

これと別に「ライン川西岸にいたゲルマン人」がBOTルールによる第五勢力として登場するようです。

ガリア戦役について】
ローマ軍団といえども、すべてのガリア部族を敵にまわすには、ほど遠い戦力でした。シーザーは、補給も援軍もないガリア奥地に侵攻し、部下を恐怖させました。

シーザーの戦法は、敵地の一部を小さく分断し、分断した地域を全滅させるか、服従させるか、というものでした。シーザーの戦役によって800の村落が壊滅、殺されたガリア人は婦女子を含めて百万人規模とも言われています(4人に1人のガリア人が殺害されたという説もある)。

「Falling Sky」が描いているのがその血なまぐさい戦争です。「ガリア戦記」は勝者が書いた歴史ですが、ガリア人の立場から見ると、ウェルキンゲトリクスがシーザーに勝るとも劣らない天才司令官だったことがわかります。


「(GMT) Falling Sky」の次の点に興味があります。

- ウェルキンゲトリクスがとった防衛術は焦土作戦であり、ローマ軍団が生存できないレベルまでガリア地方を焦土化することだった。ゲームではこの有名な戦術を扱っているか?

- ローマ軍団がガリア市民を虐殺した理由は、その都市を略奪するためだけでなく、虐殺によって他のガリア人都市を恐怖に落としいれ、服従させることだった。反対に、ローマ軍が戦いに敗れると、他のガリア地方に反乱がおきてローマ人が虐殺され、ローマの支配が揺るいだ。そのようなルールはあるのだろうか?

- 絶対的な指揮権を持つシーザーは、軍団を意のままに動かすことができた。一方、中央集権国家ではないガリア人集団において、ウェルキンゲトリクスは、彼に賛同する村落の代表にすぎず、戦略は妥協を強いられた。シーザー、ウェルキンゲトリクスともに、どれだけの同盟部族を集められるかは、どれだけ戦争に勝つかにかかっていた。

- ローマ軍団が統率されたプロ兵士の集まりであるのに対し、ガリア軍は農村出身の素人集団だった。ウェルキンゲトリクスは、懐柔と政治、あるいは人気によってローマと同盟するガリア部族を離反させることにたけていたらしい。各部族とも、より強い陣営につく傾向があった。ローマかガリア、いずれの陣営につくかに関して、各ユニットの意思は、100%それを動かすプレイヤー次第なのだろうか、ルールによる強制はあるのだろうか?

- ウェルキンゲトリクスとアンビオリクスは同時に登場するのだろうか?