En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

(GMT) Liberty or Deathゲームレビュー, just enough...

[2016年5月4日 YSGAで対戦]
昨年の「Modern War Holy Land」以来の笑えるゲーム。しかし、今度はいい意味で。

ルールは正確、ゲームバランスもまあまあで、細かい部分までよく計算されていると思います。しかし、"just enough"がいくつであるかを知るにはマーカーと参考書が必要です。細部を研究すればするほど、笑いが止まらなくなります。これは英文詳解(駿台受験シリーズ)でしょうか?昨日の研究会では涙が出そうになりました。

このゲーム、各陣営ともユニットを防御するコマンドがほとんどありません(通常のゲームにある、要塞化、防御力二倍、ZOCなどのルールがない)。

用意されているのは、Plunder(略奪)、War Path(敵意)、Battle(戦闘)、Skirmish(小競り合い)、Raid(襲撃)、Naval Pressure(海上封鎖)などの攻撃目的のものばかり。資源や戦略ポイントを貯めて勝つようなゲームでもありません。

従って、4人のプレイヤーが等しく攻勢である時にルールが機能します。プレイヤーが勢力温存に走るなら、そのプレイヤーが勝てないだけでなく、その分ゲームがヒマになり、勝敗がつきにくくなるでしょう。

興味深いのはインディアンが独立したプレイヤーとして登場することです。独立戦争史(白人中心の)ではモーガン隊に狙撃されるぐらいしか扱われないインディアンは、実際には大陸軍と互角の武装勢力でした。

現実には、インディアンはイギリスを支援したのではなく、利害の一部がイギリスとオーバーラップしたにすぎなかったのです。白人同士の争いにどのように乗ずるか...したたかに国際情勢を分析することができたなら、インディアンは漁夫の利以上のものを獲得できたはずです。「Liberty or Death」では、もしインディアンが政治的、戦略的に賢明であったならば...というifを体験できます。