En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

ゲームレビュー

3月9日(土)YSGAの例会で「Helsinki 1918」と「Chile '73」の練習戦を行いました。

「Helsinki 1918」
1918年のフィンランドの主権をめぐる左派赤軍とドイツ軍との戦いを描いたこのゲームは、
  - 3人で対戦する
  - 同じユニットを何回でも動かせる
  - ZOCがない
  - ユニットの戦闘力は、その時のダイスの目
  - ゲームターンが150ターンもある

という、異色ずくめのルールが特徴です。赤軍と白衛軍はゲームターンを数えないので、実際には300ターンぐらいあるでしょう。

デザイナーによれば、「戦闘システムをシンプルにしたのは、フィンランド内戦における戦闘のほとんどがskirmish(小競り合い)だから」だという。ユニットは、兵科も移動力も書かれていない「棒」だから、シンプルであることは確か。

ドイツ軍の勝利条件は、史実通り2日間でヘルシンキを占領すること。
1ターン15分という細かいゲームスケールのせいか、半日対戦しても、マップ北部での小競り合いで終わってしまった。
よほどの早さで前進しない限り、ドイツ軍の勝利は難しいと思われます。

【Helsinki 1918 ルール覚書】
複数の地形がヘクスに存在する場合、いちばん面積の大きい地形を採る(英文ルール2ページ目)。
Terrain Defense Valueは、その地形を使った場合に防御側に適用される防御力の最低保証。この数字を防御力に加算するのではない。
複数のタイプの地形にまたがって移動する時は、地形の移動値の中で一番低い値を用いる。
ドイツ軍のリザーブトラックの「-1」から始まる数字は、Deploymentの時にダイスの目に加算する数。木の棒が置かれているいちばん右端の数字を用いる。
赤軍リザーブトラックは、赤軍がMoraleを使う度に一段ずつ下に下がる。ボックスの数字は、ドイツ軍がイニシアチブを取った時に赤軍がカードを引く際に、赤軍のダイスの目と比較するための数字。壊滅した赤軍ユニットは、ボックスの上から埋めてゆく。
4月11日のみ、赤軍のコマンドポイントは、ドイツ軍と赤軍のダイスの目の差。ドイツ軍は常に出た目の数がコマンドポイント。


「Chile '73」
Brian Train。
ユニットは意味もなく大きく、マップは意味もなく小さい。
マップは、大統領官邸、大学、テレビ局、などのエリアに分かれているが、ユニットの移動力が無限なので、そもそもマップである必要性がない。
チリ・クーデター特有の歴史的事実がルールに反映されておらず、一般的なクーデターゲームの粋を出ない。ルールの書き方が雑で、はっきり言って、デベロップメント不足なゲーム。


積み木のハンガリー動乱「Nights of Fire」

ハンガリー動乱を描くこのゲームは、"Days of Ire"の続編だそうで、 Brian Trainがゲームデザイナー。1~3人で対戦できるという。2人対戦モードでは、ソ連軍vsハンガリアンか、ソ連Bot対ハンガリアン2人プレイヤーが選べる。

ゲームは、ソ連軍の首都侵入からの最初の4日間を描く。ハンガリアン・プレイヤーはバリケードを築いたり、ソ連軍を待ち伏せしたり、市民ユニットを国外に逃がしたりする。市民ユニットが亡命する度に、ソ連プレステージトラックは減少する。
ソ連軍プレイヤーは、暴動ユニットの逮捕や除去を行い、最終的には、"ターゲット"エリアに駐留兵を置くことを目的とする。暴動ユニットに損害が出る度に、ハンガリアン・モラルトラックは減少する。夜間ターンではソ連軍の行動は制限される。
(ハンガリー動乱を描いたゲームはS&T#235 "Cold War Battles:Budapest '56"があります。)

【写真1】練習戦では、15ターンでマップ北西部の小競り合いからドイツ軍は突破できず、ヘルシンキ到達はまだまだ先の話でした。3月21日の対戦ではいかに?