2023年7月1日(土)のYSGA例会で、「(Bonsai) Equatorial Clash」と「(GMT) The British Way」を対戦しました。
(Bonsai) Equatorial Clash
紛争の宝庫、ラテンアメリカの戦争。
三国同盟戦争、チャコ戦争、太平洋戦争については聞いたことはあっても、1941年7月5日から26日間戦われたエクアドル・ペルー戦争(1941年戦争)を知る人は少ないと思います。
史実
政治的な機能不全に陥っていたエクアドルに対して、着々と戦争準備を進めてきたペルー政府は、国境に砲兵と航空支援を備えた装甲部隊を集結させ、1941年7月5日に突如侵攻を開始しました。目的は100年間続いている国境問題の武力的解決。
対するエクアドル軍は、軍事力の半分が大統領と軍部の対立によって使えない上に、過小な軍事力を自国全土に分散している状態でした。
史実ではペルー軍の圧勝に終わった戦争ですが、「Equatorial Clash」では、エクアドル軍が混迷から抜けるプロセスをルール化することで、スリリングな味わいにしています。
対戦は9時半からはじまり、午後2時までかかりました。
どちらが勝ってもおかしくない駆け引きが最後の一手まで続き、数ポイント差でペルー軍が勝利しました。
マイナーな戦争をここまで面白くしているのは驚くべきことです。
【覚書】
ペルー軍の空挺部隊はオマケではありません。空挺をいつ、どこに落下させるかが勝負のカギとなります。
敵ユニットが存在するエリアを抜けて、その後方に隣接する敵支配エリアに入ることはできないが(infiltrationの禁止)、その敵ユニットがすべてDisruptである場合、そこを抜けて後方の敵支配エリアに入ることができる。
辺境の戦争で作戦終了になるのは、どちらかの終端にマーカーが達し、さらに前進する結果が出た時です(BGG Errata)。
【BGG】
1. AAは中隊規模として扱う。
2. エリアを支配するには、そのエリアを通過するだけでよい(そこで移動を終了する必要はない。)
3. Distruptedユニット単独でエリアを支配できる。実際には、Disruptedユニットは敵コントロールのエリアに入れないので、たとえば、敵のUndisrupedユニットと味方のDisruptedユニットが同じエリアに存在する場合、もし敵ユニットがそのエリアを出たなら、そこは味方の支配エリアになる。
4. ゲーム中、空挺ユニットは何回でも空挺作戦を行うことができる。
(GMT) The British Way
ミニゲームが4つ入ったCOINゲーム。キャンペーンでは、4つのCOINゲームを順番に対戦し、総得点を競います。
初対戦のこの日は、パレスチナ・シナリオを選びました。
COINゲームは、盤上から敵ユニットを除去するよりも、敵のリソース源を傷つけ、決算期に、敵にリソースが入らないようにして勝つ、というのが王道だと思いますが、ルールが大幅に簡略されているパレスチナ・シナリオにはリソースに該当するものがなく、わずかにIntel ChitとArms Cacheがリソースに近い働きをしています。エリアごとの"Opposition"と"Support"、"Control"の概念もありません。
パレスチナ・シナリオでは、ユダヤ人武装組織「エツェル」はひたすら治安を乱し、社会を混乱させることを目標とします。
それに対するイギリス政府は(ゲームはイギリス委任統治時代)、理由があってもなくても(ActiveでもUndergroundでも)、「エツェル」を逮捕、投獄します。武装組織と比較して鈍重な政府が"Intel Chit"によって表現されています。
対戦では、前半、「エツェル」が次々と乱暴狼藉を働き、破壊工作がパレスチナ全土に広がりましたが、中盤を過ぎると「エツェル」が続々と投獄され、マップ上の勢力がまばらになりました。治安とは、そうやって回復するものなのでしょう。