Yaah!誌10号の「Steamroller」の対戦をしました。
去年10月発売のこの付録ゲームは、第一次大戦のタンネンベルクの戦いを8ターンで描く戦略級ゲームです。
カードで戦闘結果を出すシンプルなルールで、(SPI)「Battle for Stalingrad」の後にやっただけに、脳みそが溶けるような快感でした。
ルールはYAAH!誌#8「Race to the sea」と同じで、一日でプレイできます。
一度に移動/戦闘できるのは1ユニットのみ、戦闘も1ユニット同士でのみ行う、というユニークなルールによって、戦略級で省略されがちな詳細な部分が表現されています。
それはどういうことかというと、いわゆるスタック攻撃やスタックによる防衛ができないので、複数のハイスタックで都市を包囲し一度で殲滅する「戦力カウントによる攻撃」が成り立たたないのです。
例えば、3枚スタックで都市を守る敵に対し、こちらが攻撃できるのはその中の1枚だけ。すると、仮にこちらが完勝したとしても、敵が支配する都市には2枚の敵ユニットが無傷で残っているわけです。敵に余力があるなら、こちらが残りの2枚を除去する前に、後詰めのフレッシュなユニットをその都市に入れてくるか、あるいは戦闘後撤退したユニットを後方で再編成させて都市に再侵入することができます。
戦略級でありながら、1枚単位での再編成と突入と撤退、戦闘後前進、梯団による波状攻撃が繰り返されます。どちらかが完全に敗退するか、あきらめるまで攻防戦は続きます。
このシステムによって、2ヘックスしかなくても、そこでスターリングラードまがいの、どちらも譲らない攻防戦が展開するわけです(実際にそうなった)。
少ないユニット数、まるで入門編のようなゲームコンポーネントでありながら、戦場の微細な雰囲気が出ています。前作の「Race to the sea」でも、マルヌ会戦から第一次イーペルの戦いまでを早送りで見ているような面白さがありました。
「Battle for Stalingrad」もそうですが、ルールによる制限によって史実に近い結果を出すのではなく、選択肢とフレキシビリティをプレイヤーに与えながら結果的に史実的な展開になるゲームです(前者のタイプをジョンヒルは"ヒストリー・ゲーム"と揶揄している)。
対戦で使ったのは、ボードゲームショップ「リゴレ」のレンタルスペースです。前回、「Race to the sea」の対戦で借りた「Jelly Jelly Cafe Yokohama」よりもテーブルが広く、室内が明るい。
お店のご好意で、4人テーブルを2人で使うことができました。