En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

YSGA例会2月24日 S&T#320 Sepoy Munity

ミランダのクソゲーから2年、"They died with their boots on vol.1"のルールでセポイの反乱をゲーム化したと聞けば、(GMT)Gandhiを立て続けにプレイしたわれわれが、「S&T#320 Sepoy Munity」に関心を持つのも、自然な成り行きというものです。

実際、「S&T#242パーシングの追撃」は米西の国境紛争をそれなりに表現した佳作でした。

結論から言うなら、「S&T#320 Sepoy Munity」はウォーゲームとは言えない代物です。

インド人反乱軍が武装親衛隊のような追撃戦を行った上に、勝敗はたった一枚のチットで決まります。マップ上の戦闘は、はじめから意味がなかったのです。穴だらけのルールは、出来の悪い独ソ戦ゲームのようです。

なぜこうなるかと言えば、ゲームデザイナーがソロプレイしかしていないからです。BGGのAARも、よく読めばソロプレイした内容ばかり。

両陣営を脳内で対決させるソロプレイと、ルールを駆使する二人戦とでは、ゲームに求める厳しさが違うということでしょう。

【写真2、3】 Against the Odds#50 "Die Atombombe"


敗北間近の第三帝国原子爆弾を開発する5人対戦ゲーム。プレイヤーは、国防軍、SS、軍需会社、郵政省に分かれて核兵器の開発を競う。ウラン、重水素、狂気の科学者などを入手しながら進め、プレイヤー間のスパイ行為もルール化されている。勝利条件は、ソビエト軍がベルリンに入る前に原子爆弾を完成させること。
もしヒトラーが原爆を手にしていたら、V2に載せてロンドンに落としていただろう。

陰鬱なテーマである上に、ゲームコンポーネントが不気味。タイトルのドイツ語も、イッている感じ。タイポグラフィが効いたカバーアートはサイモンセンを思わせるポップアートであり、少なくとも、反戦のアートワークとして評価してよいかもしれない。