En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

ゲームレビュー「(WE) Soldiers」

1980年代のウォーゲームを語る上で、「(AH) Ambush(1983)」ははずすことのできないゲームです。
そのゲームの作者、John H. Butterfieldがデザインした超戦術級ゲームが「(WE) Soldiers(1987)」です。ゲームスケールは、1ユニット1人、1ターン20分。

2018年3月18日のYSGA例会で、練習用シナリオを攻守変えて三回行いました。

「このゲームで三枚スタックは危険」とルールブックに書かれていて、実際、ハイスタックで防御すると大きな損害が出ます。

にもかかわらず、三回戦目から6枚スタック同士の激突になりました。

理由のひとつは、機会射撃を防御側にさせるための「捨て攻撃」を二段構え(あるいは三段構え)で行い、防御側が機会射撃を使い切った後に真実の攻撃をする、という戦法が二回戦目で確立していたからです(最初にポジションを取った側が有利な点も含め、この辺はUrban Operationsに似ている)。

そこで、多大な損害が出る危険を承知の上で、あえてハイスタックで戦闘することになったのです。

このゲームで興味深いのは、プレイヤー自身のミスをリカバリする機会が、入札方式の活性化トラックによって与えられていることです (敵があきらめるまで、奥深く入札して先手を取り、間違いを修正する)。また、活性化トラックは、戦場のモーメンタムを上手に表していると思います。

【写真1】 練習戦の第一ターン。一回目なので米軍が薄く広く展開している。

【写真2】 二回目の練習戦。独軍が建物東側を無力化、中央部に突入した。ハイスタックによる突破作戦。

【写真3】 双方ハイスタックになった初期配置。練習戦三回目は、擁護射撃と手榴弾ルールを取り入れたため、戦場がまったく変わった。