En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

Battles Magazine #12の「KRIEGSSPIEL」。

「KRIEGSSPIEL(クリークシュピール)」は、1812年プロイセン陸軍が製作した歩兵戦闘用の兵棋演習である。

ウォーゲームの元祖と言われるこのゲームでは、はじめて縮尺地図が用いられた。マップにはグリッドが引かれ、縮尺は1:8000だった。おりしもプロイセン軍は、前年のイエナでナポレオンに敗れたばかりだった。

「KRIEGSSPIEL」は、二枚のマップを使ったダブルブラインド方式で、アンパイアによってゲームは運営され、別な部屋にはアンパイア用の第三のマップも設置されていた。
プレイヤーである士官候補生達は、他の候補生達と話すことが禁じられていた。伝達したい事項は、アンパイアを通して伝えなければならず、アンパイアは実際の伝達にかかるであろう時間が経過した後に、もう一方の候補生に内容を伝えた。
ひとりのプレイヤーにひとりのアンパイアがつくこともあり、言うまでもなく、対戦に時間がかかった。

「KRIEGSSPIEL」は勝敗を競うものでも、"ゲーム"でもなかった。
「KRIEGSSPIEL」は士官候補生の人的資質を高めるための訓練であり、授業だった。試されるのは、指揮系統を遵守しているか、状況に圧倒されていないか?伝令兵が来ない状況でどう対応するか?まったく勝てない状況で冷静な判断が下せるか?などの事柄だった。
このウォーゲームは、バラックの中に長時間閉じ込められることから、候補生からは嫌われていたという。

今日でも「KRIEGSSPIEL」は、"Little Gaddesen(https://kriegsspiel.homestead.com/)"(イギリス)や"Southern California Kriegsspiel Society"(ロスアンゼルス)で定期的に対戦されている。

「KRIEGSSPIEL」のルールは今日でも"General Julius Von Verdy du Vernois's book"(ドイツ語版)としてPDFで入手できる。英語版もAmazon.co.ukで販売されている。
http://www.photoncutterstudios.com/では「KRIEGSSPIEL」のスターターセット、https://toofatlardies.co.uk/ではマッブを販売している。
https://www.commandpostgames.com/pub-battles/の「Pub Battle」は手軽にできる「KRIEGSSPIEL」のミニバージョン。
Windows版ではhttp://www.scourgeofwar.com/index.shtmlhttp://general-staff.com/tag/ezra-sidran/。があり、後者はA.I.が用いられているという。