En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

(Mayfare) Hueのテストプレイ

1968年1月のフエの攻防を描いたゲーム。デザイナーはジョン・ヒル
"ドアツードア"の戦闘で有名だが、米軍に大きな犠牲が出た原因のひとつは、米軍の貧弱なリーダーシップにあった。

フエ城址市内にintelligenceを置いていなかった米軍は、市内の情勢を把握することができなかった。
にもかかわらず、1月31日の夜、ウェストモーランド参謀総長は、アメリ統合参謀本部議長アール・ホイーラーに「ユエの敵はおよそ三個中隊、約500名である」と極秘電報を送っていた。実際にはその20倍のNVA/VCがいた。

米軍参謀本部は、ユエやサイゴンへの攻撃はNVAの陽動攻撃であり、北ベトナムの本当の狙いはケサンにあると考え、ユエへの増援も遅れた。
実際には、ハノイ政府にケサンを攻撃する予定はなかった。NVAはテト攻勢を隠匿するためにケサン周辺で偽の動員を行っていたのである。

NVAを見くびった米軍のユエへの攻撃は、計画性のない過少な兵力の逐次投入になり、最初の数日で多大な犠牲が出た。米軍が本格的な攻撃をはじめたのは、3日経ってからだった。

篭城戦を描くゲームは、得てして、防御側は初期配置以外にほとんどすることがなく、攻撃側が機械的に1ヘクスずつ陥落してゆく、という単調な展開になりがちだが、「(SPI) Battle for Stalinglad」は、序盤からソビエト軍も手に汗を握る展開となり(しかし、ソビエト軍はほとんどやることがないのだが)、その辺から見事なゲームだと思った。同じデザイナーの「(Mayfare) Hue」はどういう展開になるか、楽しみである。

「(Mayfare) Hue」では、米軍の貧弱なリーダーシップはルール化されていない。フエ城址市のNVA/VCの布陣も一目瞭然なので、史実とは異なる展開になるかもしれない。