En hommage à SPI

SPIへのオマージュ

YSGA第400回定例会

YSGA第400回定例会で「(AH) ギリシャ・ローマ海戦」を対戦しました。会場はギリシャ風の大倉山記念館

シナリオはGeneral Vol.19 No.4"SYBOTA  I"で、午前中はFleetルール、午後はShipルールで対戦しました。

Fleetルールは、お手軽なファミリーゲームと言うべきもので、交互移動による自由度の高い操鑑とダイスの目次第の白兵戦。短時間で勝負が決まります。
Shipルールは、完全プロット方式の同時移動で、お互いの行動が読めない。ルールは違うものの、「(AH)帆船の戦い」を彷彿させるスリリングな展開になりました。

1971年発売ですから、50年前のゲームですね。
70年代のウォーゲームは抽象化が上手いものが数多くあります。
持っているけれど対戦したことがない、という声が少なからずありました。

面白いので、ぜひ対戦してみてください。

イギリス、NAV WAR社のダイキャスト製ユニット。
 ホビーメーカーの水性塗料「シタデルカラー」は、大量のミニアチュアを、短時間で均一に仕上げるのに適しています。

実際のミニアチュアは親指の爪ぐらいの大きさです。

帆の前の円筒はクルーの練度を表す。黄色はAverage、緑はGreen、黒はSlave。

紀元前433年、都市国家コリントスとコルキラ・アテナイの連合軍との間で戦われたシボタの海戦は、ペロポネソス戦争のきっかけの 1 つと考えられている。ゲームでは20隻対20隻だが、実際は110隻対150隻の大海戦で、ツキディデスによれば、ギリシア人同士の海戦いの中で最大規模のものだった。海戦の翌日、双方が勝利宣言した。

戦う気満々のコルキラ・アテナイ連合軍。

マップ中央部分で両軍が衝突した。「(AH) 帆船の戦い」との大きな違いは、大砲ではなく、フルスピードの体当たりで攻撃すること。同時移動なので、当てるつもりが1移動力差で当てられたりする。

前日に行ったVassalでのルール確認戦。距離をとらないと味方艦同士で衝突するのは「(AH) 帆船の戦い」と同じです。

大倉山記念館。会場もギリシャ風。

曖昧なルールの明確化とHouse Rules
1. Existing occupancy takes precedence.
If a ship is ordered into a hex currently occupied by another ship, it rams that ship instead of entering the hex. (P12)
2. Only A, S, P, drift directly ahead become RAM/Ora Rake.
If a ship enters a hex by backwater, bow turn (bP, bS), or drift in any direction but directly ahead, no ram occurs. Instead, it becomes a collision. (P12)
3. Even among allies, they can RAM.
4. The Rammer never enters a hex occupied by enemy units, but ends its movement with a stabbed tip.
5. On the other hand, in the case of colluision, the colliding ship stops moving without stabbing.

Movement
An order planned ahead this way must be followed. (Two point Orders, P9)
When BACKWATER is performed, only bP/bS are possible. BACKWATER costs 2 MP. (P10)
Crippled ship is only allowed one movement order per turn. This order could be any one point or two-point order, as desired. (P11)
When either part of a ship exits the map, the entire ship is removed from the game. The ship still counts as afloat and in control of its last owners, for victory purposes (unless the scenario specifies otherwise). (P11)
 A ship must have only A, S, and/or Port orders one turn in order to use full speed on the next turn. (bP/bS/BACKWATER is prohibited.) 
RAM
If a ship rams another, its next movement order must be BACKWATER. (unless the target thunk. P13, therefore, the ship can only use Crusing speed when BACKWATER.)
If a ship was rammed, the ship can only use Cruising speed. (P13)
Oar Rake
After the ram is made, on the next movement point, the raking ship makes a bS/bP turn, to travel parallel to the target. The only case where a bS or bP is allowed at
full speed. (P19)
On any further movement points, the raking ship then moves ahead (A) up to its movement allowance. (P19)
A crippled ship may not make an oar rake. It can only make a normal ram. (P19)
Collision
If 3 or more ships simultaneously attempt to enter any hex, each ship is presumed to collide with all other ships. (P13)
Both ships involved in a collision are automatically crippled. (P14)

Equipment includes all artillery engines, towers, corvus, iron hands, firepots, masts and sails. (P14)

Sails
Weight of the mainmast/mainsail automatically reduce full speed by one MP when under oars. (P18)
A ship under sail may use bow starboard (bS) or bow port (bP) orders, but only if that is the only order that turn.
This may be used even if the ship has zero movement points, and can thus be used to turn the ship when it is in a zero MP wind attitude. (P19)

The mainsail may be jettisoned at the start of any turn and thereafter the speed reduction is dropped also. (P18)

A crippled ship may attempt recovery for the number of cripples it received.

 

(SPI) Panzer '44のルールを読んで

「(AH) PanzerBlitz」から5年後の1975年に発売されたこのゲーム、コマンドコントロールのルールはなく、プレイヤーは神の立場でユニットを動かせます(わずかにPanicルールがありますが)。


このゲームの面白さは、たぶん、戦車、歩兵、砲兵、輸送ユニットをいかに連携させるか、なのでしょう。攻撃のタイミングも含めて。

1へクス = 200m、1ターン = 6分、1ユニット = 分隊、プロットによる同時移動。

1975年当時、「Panzer '44」は最先端のゲームだったはずで、英文ルールの文体からもジム・ダニガンの意気込みが感じられます。

 

【SPI/AH/VGの戦術級ゲーム】
(SPI) Tactical Game 3 1970年
(AH) PanzerBlitz  1970年
(SPI) Combat Command (Tactical Game 1) 1972年
(SPI) Desert War 1973年
(SPI) Kampfpanzer: Armored Combat, 1937-40 1973年
(AH) Panzer Leader 1974年
(SPI) TANK! 1974年
(SPI) Panzer '44 1974年
(SPI) TANK! Expansion 1975年

(SPI) MechWar '77 1975年
(AH) Tobruk 1975年
(SPI) Strike Force One 1975年
(SPI) Super Tank I 1976年
(SPI) Firefight 1976年
(AH) Arab Israel War 1977年
(SPI) October War: Yom Kippur Conflict 1977年
(SPI) Panzer Battles 1979年
(SPI) MechWar 2: Red Star / White Star 1979年
(VG) Panzer Command 1984

 

中世の戦術級、Dark Ages, VIKING, CHARIOT, SPARTAN, LEGION and YEOMAN (1972)、Renaissance of Infantry もある。

 

YSGA: 真夏の連続例会 2022

YSGA連続例会の二日目、真夏にふさわしい"(AH) 帆船の戦い"を対戦しました。
シナリオは、"THE GENERAL Vol.23 No.4"掲載の"第一次アルへシラスの戦い"です。

【感想】

イギリス艦隊が要塞港を攻撃する設定だと思っていたら、凪(なぎ)で動けなくなったイギリス艦がどうやって窮地から脱出するか、というシナリオだった。史実では、イギリスが惨敗、戦列艦ハンニバル」を喪失している。

【技術】
射程距離ぎりぎり(10へクス)の撃ち合いは、ほとんどが"Rigging"への命中弾となり、"Hull"や"Crew"への損害は発生しにくい。ルールによって、全"Rigging"を喪失しても"Guns"と"Crew"がある限り砲撃は継続できるから、双方が10へクスで撃ち続けると攻撃側(接近しなければならない側 = イギリス)が不利になる。

今回の対戦では、フランス側が投錨ルールを用いて+2の修正を受けることで有利に戦った。史実に沿った、手堅い作りがされているシナリオでした。

対戦いただいたMさん、ありがとうございます。

YSGA例会の中で10月にアバロンヒル限定の対戦を行います。興味のある方はコメントを残してください。現在出ているタイトルは「TRIREME」「MIDWAY」「Panzer Britz」など。

 

【ルール覚書】
- 投錨したターンは普通に移動できる(移動の最後に投錨を行う)。その投錨が有効となるのは、投錨した次のターンである。
- 抜錨するには、連続して2ターンを費やし、3ターン目に投錨マーカーを除去し普通に移動する。抜錨のための最初の2ターンは砲撃、白兵戦、装填ができない。
- 投錨中に回頭したターンに、砲撃と装填をすることはできない。
- 抜錨の代わりに錨を切断してよい。切断したターンから自由に移動できる。

サンタ・クルス 1797」
1797年、ネルソン提督が行ったカナリア諸島、「サンタ・クルス・デ・テネリフェへ」の強襲上陸をゲーム化。 当時、サンタ・クルスを守っていたスペイン正規兵はわずか1個大隊。夜陰に乗じた奇襲でサンタ・クルスを奪取するつもりでしたが、そうはいかなかったのです。 1時間もあればできるこのゲーム、デザイナーはカナリア諸島出身のスペイン人です。

 

(AH) Wooden Ships & Iron Men

1974年に発売されたゲーム。
このゲームをやっているのは世界に何人いるのだろうか?


台風通過により、YSGA連続集会の初日はVassalでのリモート対戦に変更。"The General Vol.26.No.6"「BROKE'S CHALLENGE」シナリオで、明日のための練習戦を行いました。

【ルール覚書】
上級ルールで対戦するが、以下のルールは使わない。
 ・ Velocity Change
 ・ 弾薬の種類
 ・ オプショナル・ルール「26. リギンの損壊」は採用する。

- マップの境界線はへクスの中心を通っているので、陸地を設定する場合、境界線と重なっているへクスを陸地とするかどうか、事前の協議が必要。
- 味方艦同士で"Grappling"した場合、同じターンに"Ungrappling"してよいかどうか。
- 回頭に1МPを使う。
- 初弾のアドバンテージは左右それぞれ一回ずつある。
- 敵艦に隣接し、なおかつ"Fouling"か"Grappling"していないと白兵戦はできない。
- "Crew"の損失の適用は一番上の行から。
- Gunnerとして残したCrew (OBPにもDBPにも入れないCrew)は白兵戦に参加できない (甲板で激戦が行われても、Gunner達は何もせず、結果を待っていることになる。しかし、それがルール)。
- "Drifting"は、すべての艦の通常の移動が終わってから行う。

【白兵戦】
今回、もっとも議論を重ねたのが白兵戦ルールだった。
ルールを単純化するために次の通りとする。
- "Fouling"した艦に"Grappling"は行わない。
- 同一艦同士で二重、三重に"Grappling"は行わない。
- 複数の味方艦がひとつの敵艦に対して、それぞれ一回ずつ"Grappling"することはできる。
- OBPとDBPは、戦闘に勝った後に敵艦を拿捕するかしないかの違いしかなく、DBPが勝利した場合、自軍艦に残り、敵艦を拿捕することはない。敵のOBPと味方のOBPが戦い、その後に敵のOBPと味方のDBPが戦うなら、自軍戦闘要員は二分され、個別に撃破されてしまう。CrewをOBPとDBPに分ける意味がない。
- 従って、白兵戦では、すべてのCrewをOBPにするべき。
- すべてのCrewをDBPにすれば砲は撃てるか?撃てない。ますますDBPを使う意味がない。
- 敵によって拿捕された艦(したがって敵味方両方のCrewが乗船している)に自軍が攻撃し、Crewにヒットすると、その損害は、敵のCrewが先に1スクエアを喪失し、次に自軍Crewに適用する、これを交互に行う。


【損害の適用】
驚くべきことに、船が沈むというルールはない。

"Gun"の損害
- CRTで参照する"Gun"の数が減る。
- "Gun"のマスが0になって以降の損害は"Hull"に転嫁する。
- マスが0になったら、隣接してきた敵艦に"Surrender"、ただし10へクス以内に味方艦が存在しないことが条件。

"Hull"の損害
- マスが0になったら"Surrender"。白兵戦ができない。他の敵味方艦はこの艦を砲撃してはいけない。0以下のヒットは無視。

"Rigging"の損害
- 一行失うごとに移動力が-1。
- "Rigging"をすべて失うと航行不能
- 航行不能でも、"Guns"と"Crew"が残っているなら、敵艦に"Surrender"しない限り砲撃はできる。
- マスが0になったら、隣接してきた敵艦に"Surrender"、ただし10へクス以内に味方艦が存在しないことが条件。
- 最上段のマスすべてを失うとフルセイルができなくなる。
- フルセイルで受けた"Rigging"の損害は二倍。

"Crew"の損害
- 一行失うごとにCRTで-1
- マスが0になったら攻撃できず、移動不能。0以下のヒットは無視。
- すべての"Crew"をOBP/DBPにすると砲が撃てない。

Vassalの画面。風向きが120度変わったため、有利な風上にいたイギリス艦が不利な風下に位置することになった。

 

(AH) 帆船の戦い

対戦者を募集します。


日時: 8月13日(土)~14日(日)
   10:00~
ゲーム: 「(AH) 帆船の戦い」
会場: 横浜YSGA


すでに1名参加者がいますので、あと1~2名の募集です。
初日にインストプレイをしますので未経験でも参加できます。
初対面でもOKです。

(SPI) NATO Division Commander

軍事シミュレーションを商品化した「(SPI) NATO Division Commander」は第三次世界大戦における決定的な軍事作戦ではなく、小規模な遭遇戦を扱う。
シナリオのゲームバランスは、米軍にとって途中で投げ出したくなるものばかり。不利な状況下で、いかに師団司令官として規範的な決断をするかが求められる。
勝ち負けよりも部隊運用とC2に重点を置いた、究極の「軍事ママゴト」と言える。

本日はYSGA GW例会2日目の最終日。

私は、師団司令官として模範的でありえるだろうか?

 

YSGA33年連続開催 GW2日間例会

YSGA恒例のGW連続集会の初日、(SPI) NATO Division Commanderの「3号線の激突」を対戦しました。
初日で2ターンの終わりまで。

【写真1】 今回の対戦のために作成した携帯アプリ。対砲兵砲爆撃と地上戦の損害を計算する。 一回の戦闘結果を求めるために、手計算で6分かかり、一日の対戦の中で20回戦闘するなら、2時間を戦闘結果の算出のために使っていることになる。 これをアプリケーションによって一回30秒で計算するなら、戦闘結果の計算に要する時間は10分であり、110分をゲーム本来の思考に使うことができる。

【写真2】 初期配置。米軍第八師団がDouble Zoneで防衛線を敷く。

【写真3】 第一ターンの終わり。ソビエト軍が三方向から侵入してきた。二倍の兵力を持つソ連軍に米第八師団はどう対抗するのか?
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